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又兵衛との再会
驚いた某は二階に上がって又兵衛に話し掛けた。 「世間は私が伊達軍によって殺されたと思っているが、あれは贋首だ。実は夏の陣で死んだのは木村重成殿だけで、真田殿・長宗我部殿など主だった者は生き残って秀頼公を世に出すための謀(はかりごと)をめぐらしている。しかしあなたに会ったのが運の尽きだ。名も無い者に捕えられるくらいなら、あなたに捕えられて突き出された方がいい」 すると某は立腹。 「私が友を売るような真似をするわけがない。戦場ならともかく、この様に窮鳥の懐に入る者をそんなことが出来るわけが無い。それよりも困っていることがあれば力になろう」 そこで又兵衛がお金に困っていることを話すと、某は翌日、金10両を用意して渡そうとしたが、又兵衛はすでに去ったあとだった。しかたなく某は家に戻ると独り言を言った。 「又兵衛なんぞを親友とした私が馬鹿だった」 するとそれを聞いた某の息子が不思議に思って尋ねた。 「どうしてですか」 「親友すら信じられないような男は大将の器ではない」 某は又兵衛をそう評している。(『先公実録』) Copyright (C) 2003 Tikugogawa. |
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