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義士
「戦いの時は敵に囲まれていたため、生死は分からない」 善兵衛は答えたが「これは偽証に間違いない」と疑われ過酷な拷問を加えられた。しかし善兵衛は口を閉じて一言も答えなかった。 すっかり弱った善兵衛は死が近いと悟り 「全登様は朝鮮へは逃げていない。日本国中を鉄の靴で踏み、穴を掘り巣を引っ繰り返して尋ね歩けば見つかるだろう」 と言ってあざ笑った。これを聞いた徳川秀忠は使いを送って尋ねた。 「なんで早く白状しなかったのだ」 「最初に話しても信用をしてもらえそうになかった。死が近いのであえて一言を残す」 善兵衛の態度に秀忠は感心。 「善兵衛は誠の義士だ。殺してはならない」 秀忠は善兵衛を解放し、本国の備前に返している。(『難波戦記』) Copyright (C) 2010 Tikugogawa. |
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